経営者と現場と場活師の「三位一体」による風土革新のプロジェクト 「場活」実績紹介

 「リーダー合宿」で「意識を変える気づき」の場を作る

前述した現状認識で確認された問題点の中で、上司と部下など縦のコミュニケーションの課題が強く指摘されていました。さらに、メンバー同士の学び合いやセクショナリズムなど、組織風土上の問題点も見えてきました。

これらを払拭し、新しい組織風土を形成し、組織を活性化していくためには、その土台となる「良い風土」がなくてはなりません。

そこで考えたのが「個活」×「場活」=「会活」という方程式です。「個活」は個人の活性化、「場活」は場の活性化。この2つが掛け合わさることにより、会社が活性化(会活)するというものです。

このことを実現するために必要なことは、まず組織を先導する立場にあるリーダーへの意識変革でした。

そこで最初に行った施策が「リーダー合宿」です。リーダー層に対して組織活性化の意識を醸成し、その方法を伝えることから始めました。2006年から年に1回、4月に行う「リーダー合宿」では徹底的に議論を行っています。

最初の「リーダー合宿」には森川さん以下、全役員、全組織長(部長クラス)が3日間の日程で、ひざ詰めで話し合いました。その際、各組織長が数人の課長クラスの人たちを連れてくるので、参加者総勢100人に及びます。

ところが当初は皆が自己限定し、狭い世界の中に入ってしまい、なかなか本音を出せない雰囲気がありました。それを「場活師」である泉が皆の気持ちを解きほぐしながら、気づきを促していきます。このような泉の仕掛けの中で森川さんは時には叱責しながら、リーダーたちに自覚を持ってもらう言葉を問い掛けていきました。

「現状認識を見ると、私たちは『くれない族』という評価をされていますが、これは業績が上がらない、スピードが遅いのは○○のせいという他責の話です。

上司部下の関係でいくと、上司は部下の行動が遅いから、部下は上司の意思決定が遅いからと責任逃れを言ってみたり、あるいは経営環境がどうだとか、結局のところ、他人のせいにする空気感が強くありました。だから私は、他責は絶対に許さないということをはっきり宣言しました」

「他の例でいうと、『生真面目過ぎる』があります。コクヨS&Tはコクヨ100年の歴史を背負っている発祥の商品の組織なので、先輩たちが作り上げてきたものをきちっと引き継いでいかなくてはいけません。これはこれで重要です。

そうした価値観は引き継いでいかなければなりませんが、仕事のやり方とか、出す価値というのはその時々で変えていかないと、環境変化に対応できなくなってしまいます。真面目であることはいいのですが、生真面目過ぎて『過去はこうだから』『過去はこうやってきたから』、だから『今、こうやってます』『これからもこうやります』という空気がその頃は支配的でした。それはあり得ないでしょうということを言いました」

このページの上部へ